Anthropology and feeling’s diary

人類学に関する本、日常で思ったことなど。

CEUでの大学院生活がスタート

しばらく更新していなかったが、ハンガリーでの大学院生活がスタートしてたので、これを機にまた時々更新したいと思う。(余裕があれば)

自分の参加するプログラムはハンガリーに本籍を置きながらアメリカの単位制度を利用しているCentral European University(CEU)のSociology and Social Anthropology 2-year MA。日本とは違って修士でも1年のプログラムもあるが、というより1年のほうがメジャーだが、自分は修論までもう少し時間が必要な気がしたことと、卒業後の進路に関して考える時間が欲しかったことなどから2年のプログラムにした。

CEUはハンガリー出身アメリカ在住の大富豪Georgy Soros(ジョージ・ソロス)がリベラルで質の高い教育を提供するために創設した大学院大学

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CEUのBudapestキャンパス。大聖堂からドナウ川に向かう間にある。


QSランキングで世界100位に入ることもある高い質の研究、教育を英語で提供していることに加え、ソロスの財団から充実した奨学金が貰える可能性が高いことから、世界100か国以上から学生が集まる。

自分は奨学金付きの締め切りには間に合わなかったために自費になってしまった。OB/OGの関係の仕事をやることでもらえるAlumni奨学金も制度としてはあるものの、自分の場合は大学からの合格通知が遅かったために、申込することはできなかった。

格通知が遅かったのは、おそらく、合格者の中でも成績が下から数えるほうが早かったからじゃないかと思っている。しかし、入ってしまえば皆同じで、その中でどう頑張って生き残っていくのか、自分にとって充実した研究と時間を過ごしていけるのかということが問題だ。

資金は在学中からでも申込が奨学金を探しつつ、親にお願いしている。実を言うとハンガリー政府奨学金(学費・旅費・生活費・保険料)付きで他の大学のInternational Reationsのプログラム、ハンガリー国立トップで世界ランク300-600位のELTEのCultural Anthropology、International Reationsのプログラムにも受かった(国立は学費が安い)のだが、CEUの学費納入期限が他の大学の合格発表のよりも早かったというプラクティカルな理由に加えて、大学の評価、そして自分の興味関心からCEUを選んだ。

払わなければならない金額以上のベネフィットを受け取れることは想定できたからだ。

 

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図書館からの眺め。ドナウ川が見える。

そして今週から寮に住み、オリエンテーションの週が始まった。感じたことをいくつか書いていく。

-まず驚いたことは学生の出身地の多様性が非常に高いこと。アメリカ、中国、スペイン、インド、バングラデシュパキスタンカザフスタンウズベキスタン、エジプト、モロッコジョージアジョージアジョージア…。ジョージアがめっちゃ多い。今年度入学生で分かってるだけでも20人はいるらしい。ハンガリー出身者もちらほらいる。分かっているだけでは日本人はPhDのプログラムに2人いるのみらしい。

-そして、やはり日本と比べて大学院生の数が多い。Sociologyと一緒になっているため単純な比較はできないものの、自分の出身大学の大学院在籍者はMAとPhD合わせて5人くらいだったのに比べ、CEUのSociology and Social Anthropologyの今年度入学生だけで32人いる。先生とスタッフの数も多い。

-常に雰囲気が賑やかなのと、予算が充実していることが分かる施設、オリエンテーションでも発表者が「Welcome to this wonderful university!」とか平気で言ってしまうほどには誇りを持っていることにとても好感を持った。

-第1週からAcademic Writingの授業はスタートして毎日ちょっとした宿題が出る。その中で自分の英語力の足りなさは痛感する。テンポの速い学生の会話に参加することへの困難さ、Academic Writingの技術をまともに身につけていないことが実感した。ここらへんはクラスメートよりもずっと多く努力しなければならないだろう。

-ただし、一つ絶対的に良いことは、教員やスタッフ、学生が英語を第一言語としていることは稀なのでスタッフは非常に分かりやすく説明する。そしてもちろん誰もが英語での意思疎通をする姿勢を見せている。

-ハンガリーの現オルバン政権がソロスをプロパガンダのためにやり玉に挙げていることから、ウィーンに一部移動しなけばならないために、スタッフもやや混乱している。自分も実は秋学期はウィーンに住み、CEUのウィーン・キャンパスで授業を受ける。部屋探しが終わっていなくて、少しこれは面倒。

 

いくらでも書くことはできるが今回はここまで。

これから始まる授業や色々はやや不安が付きまとうものの、とてもエキサイティングで楽しみだ。

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屋上庭園からの眺め。庭園には「人をダメにするクッション」がある。