Anthropology and feeling’s diary

人類学に関する本、日常で思ったことなど。まだまだ勉強中なのでご教示ください。

ポストコロニアル論争を詩的にふりかえる 今福龍太『クレオール主義』

クレオール主義 (ちくま学芸文庫) 作者: 今福龍太 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2015/04/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ジェイムズ・クリフォードによる『文化を書く(Writing Culture)』をはじめとする、人類学に大きな論争を巻き…

「徘徊」を真剣にとらえ、ともに飛び立つ 坂口恭平『徘徊タクシー』

徘徊タクシー (新潮文庫) 作者: 坂口恭平 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/03/01 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 認知症の人が町をさまようとされる徘徊。 家族やケアワーカーなど周囲の人びとにとっては「訳が分からず」「困った」ものか…

生命は続く。 Life goes on. 映画「21g」

BABELに感銘を受けたのでアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の別の作品「21g」を観た。 赤の他人同士が運命によってつながっていく様子が描かれる点は同じだが、今回のテーマは「生命は続く(Life goes on.)」というところか。 これもまた人間の悲…

ダナ・ハラウェイ「サイボーグ宣言:二〇世紀後半の科学、技術、社会主義フェミニズム」

猿と女とサイボーグ ―自然の再発明―新装版 作者: ダナ・ハラウェイ,高橋さきの 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2017/05/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 西欧主義的な二分法、全体性(ホーリズム)を攪乱する存在としてのサイボーグ。 そ…

バベルの世界―銃、性、言語、誤解

先日、東京都美術館で開催されていた「バベルの塔展」に行ってきた。 babel2017.jp 絵画自体はもちろん素晴らしかったのであるが、絵画にも映画にも何回も使われるモチーフである「バベル」について前から書きたかったことがあったので書いてみる。 バベルと…

アドリアナ・ペトリーナ『曝された生 チェルノブイリ後の生物学的市民』

曝された生 作者: アドリアナペトリーナ,粥川準二,Adriana Petryna,森本麻衣子,若松文貴 出版社/メーカー: 人文書院 発売日: 2016/01/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 最大規模の原発事故後、放射線を大量に浴びたウクライナの人びと…

国家・権力・知  萱野稔人『権力の読みかた―状況と理論』

権力の読みかた―状況と理論 作者: 萱野稔人 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2007/07 メディア: 単行本 購入: 5人 クリック: 104回 この商品を含むブログ (59件) を見る フランス哲学を専門とする萱野稔人がフーコーの権力論について非常にわかりやすく解説…

E・ヴァレンタイン・ダニエル「悩める国家、疎外される人々」

他者の苦しみへの責任――ソーシャル・サファリングを知る 作者: A・クラインマン,J・クラインマン,V・ダス,P・ファーマー,M・ロック,E・V・ダニエル,T・アサド,池澤夏樹[解説],坂川雅子 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2011/03/23 メディア: 単行本 …

アーサー・クラインマン編『他者の苦しみへの責任 ソーシャル・サファリングを知る』

他者の苦しみへの責任――ソーシャル・サファリングを知る 作者: A・クラインマン,J・クラインマン,V・ダス,P・ファーマー,M・ロック,E・V・ダニエル,T・アサド,池澤夏樹[解説],坂川雅子 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2011/03/23 メディア: 単行本 …

住むことは生きること。貪欲たれ。 坂口恭平『TOKYO0円ハウス0円生活』

TOKYO 0円ハウス 0円生活 (河出文庫) 作者: 坂口恭平 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2011/05/07 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 107回 この商品を含むブログ (26件) を見る 建築畑出身の著者が東京・隅田川沿いのブルーシートハウスの「鈴木…

どのように他者に共感できるのか? 映画「トトとふたりの姉」

www.totosisters.com 映画『トトとふたりの姉』劇場予告編 先日、「トトとふたりの姉」という映画を観てきた。この映画を通してどのように他者に共感できるのかについて考えてみたい。 あらすじ ルーマニアの貧しいロマ(ジプシー)・コミュニティの中で、トト…

世界の断片 ―空手家の写真集 岸政彦『断片的なものの社会学』

断片的なものの社会学 作者: 岸政彦 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 2015/05/30 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (42件) を見る 世界は断片だ。 しかし、こういうと「日常の些細なことにこそ目を向けろ」というようなよくある…

記憶の在り処 「Eternal Sunshine」

この前、ある人のツイートで映画「Eternal Sunshine」についてのコメントをしていたので早速借りてきて観た。 ツイートの内容はモノにも記憶があるというような内容であり、僕自身もこのようなことをなんとなく考えることはあっても明確に考えを深めることは…

フィールドとの付き合い 『人はみなフィールドワーカーである』

人はみなフィールドワーカーである ――人文学のフィールドワークのすすめ 作者: 西井凉子 出版社/メーカー: 東京外国語大学出版会 発売日: 2014/06/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 古本屋で目について買った本。 東京外国語大学のア…

アネマリー・モル『多としての身体―医療実践における存在論』

多としての身体―医療実践における存在論 (叢書・人類学の転回) 作者: アネマリーモル,Annemarie Mol,浜田明範,田口陽子 出版社/メーカー: 水声社 発売日: 2016/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 授業で一度は読んだのですがちゃんと理…

『インディオの気まぐれな魂』Vol.2 他者ではなくて他者性 文化を捉え直す

インディオの気まぐれな魂 (叢書 人類学の転回) 作者: エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デカストロ,Eduardo Viveiros de Castro,近藤宏,里見龍樹 出版社/メーカー: 水声社 発売日: 2015/10/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 前回が長くなって…

『インディオの気まぐれな魂』Vol.1 「気まぐれ」から宗教と「文化」について考える。

インディオの気まぐれな魂 (叢書 人類学の転回) 作者: エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デカストロ,Eduardo Viveiros de Castro,近藤宏,里見龍樹 出版社/メーカー: 水声社 発売日: 2015/10/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 通称「赤い本」。…

『森は考える』における思考・精神とは おじさんは何故わざわざ遠くからカモメに餌をあげたのか。

森は考える――人間的なるものを超えた人類学 作者: エドゥアルド・コーン,奥野克巳,近藤宏,近藤祉秋,二文字屋脩 出版社/メーカー: 亜紀書房 発売日: 2016/01/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る はい、『森は考える』です。 この本かなり…

印鑑と個人化

今日、用事があって郵便局の窓口で手続きをしなければならなかったのだが、その際に印鑑を持っていなかったことに加えて、自分がいつも使っている印鑑と通帳に登録してある印鑑が異なることから印鑑の変更、そして住所変更までしなければならないという七面…

ロラン・バルトとクランベリーヨーグルト

明るい部屋―写真についての覚書 作者: ロランバルト,Roland Barthes,花輪光 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 1997/06 メディア: 単行本 購入: 8人 クリック: 95回 この商品を含むブログ (139件) を見る 前回のロラン・バルト『明るい部屋-写真について…

ロラン・バルトの『明るい部屋』まとめ

人類学を標榜しておいて、ようやくの投稿が哲学者のロラン・バルトっていうのもあれですが…まあ、読書日記も兼ねていることだし、考えたことなんで書こうと思います。 この前、別の場所で写真について考える機会があり、その際にロラン・バルトの写真論『明…

研究者の情報発信

はじめ、で情報発信について書いたにもかかわらず、かなり放置していたのは反省。 この前、そのことについて改めて感じる機会があったため、書きます。 今、人類学は他分野との相互交流が盛んに行われている(ようにみえる?あるいは以前から?)。雑誌「現…

ブログ移行 はじめに

gooブログから移行しました。最初の投稿はコピペします。 ここにきて、ブログを始めてみる。 なぜ、今これを始めるのか? 第一に自分の覚え書きのため自分の考えていることの整理と記録、文章を書く練習をしたいから。考えているだけではなく、文章として意…